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★「ラン・アクロス・アメリカ2002」のコーディネイターとしてお世話して頂いた、井上明宏さん(東京都在住)が優勝そしてアジア最高記録を樹立する快挙をなしとげました。
 井上さんからその時の感想を寄せていただきました。大記録達成に拍手を送りたいとおもいます。



 6日間走オーストラリア選手権から帰国しました。 809.5 kmで優勝という結果を残しました。
 Colac6DayRaceは、過去にはクーロスが1,000km以上の 記録を出している大会で、その他、歴代の優勝者リストには、 24時間走で250-270kmを出している選手が目白押しで、20 年ほど前から行われている、スパルタスロンに負けず劣らずの伝統とステータスのある大会です。 そのような大会の優勝者としては、私はあまりにも見劣りしま すが、近年だけ見れば、今回の優勝記録は、他と比べて決し て見劣りしているわけではありません。
2000年のクーロスの記録も、数字上は上回っています。これは、逆に言えば、6日 間走のレースは、競い合う相手なしに高いレベルの記録を出すのは難しいということかもしれません。勝利が決定的になっ て、記録も望めないとなれば、どうしても手綱が緩んでしまい ますから。
 今回は、日常的な体調不良を抱えて、練習もまったくの不十分で出国して、レース中も苦しみましたが、強固な意志と集中力、冷静な判断力、洞察力を駆使して、”勝負”と”アジア新記録”を ものにし、なんとか体裁を保ちました。なお、旧アジア記録は、 2000年に古家後伸昭氏がNYで出した、774km(481マイル)でした。
  2000年の雲峰さんの記録でも今回の9位相当なので立派です。 もっとも、500km行かない人達は、ほとんどが大半を歩いているか、コース上にいる時間の少ない人です。実際、東海道やトランスエゾのようなステージランでも、その程度の距離は進みます。 また、本木さんの記録も女子としてはレベルが高いもので、今大会では、女子1位よりも上。どの大会に参加してもトップ3に 入ってくる可能性があります。ただし、800kmを超えてしまう女性もいることはいます。田辺さんに至っては4位相当ですから、大したものです。 ただし、私の実感としては、600km台から、700km-750km- 800kmと伸びて行くにしたがって、その距離差の実数値以上 の感覚的な隔たりがあるように思いますので、単純に考えることはできないと思います。
 今回の成果は、ハンドラーとして同行してもらった貝畑三知さん (貝畑和子さんの娘さん)の活躍に依るところが多大です。彼女 と二人で勝ち取った成果です。彼女には感謝の気持ちでいっぱ いですが、彼女自身も、ラン・アクロス・アメリカとはまた違った ウルトラマラソレースへの取り組み、ランナーの姿を通して、新たに学んだこともあるかと思います。
今回のチャレンジは、「800kmを二人で目指す!」という意味で、 われわれは、「プロジェクト”800”」と名付けました。結果的に、500マイル(805km)をもクリアして、目標を達成できました。どちらかというと、優勝はオマケです。 いずれは、今回の遠征で得たノウハウと培った人脈を活かして、 ”Team Japan”を組んで、日本の真のトップウルトラランナーを このレースで走らせてみたいというのが、私の次なる希望です。 - Aki Inoue & Michi Kaihata (Project "800" at Colac)