*背景
アメリカ大陸を自らの足で渡ることは、ウルトラランナーとしてのひとつの夢であるものの、歴史的にみても、実際にそのような大会はほとんどなかった。
過去に例があるとすれば、1928/29年に開催された“Bunion Run”と、1992から4回開催された “Trans America Foot Race”くらいである。
後者の1995年の最後の大会から、2002年は7年を迎えることになる。
*ルート概観
スタート地点:Huntington Beach, California June 15, 2002
フィニッシュ地点:Central Park, New York, Ny August 24, 2002
Los Angeles, California - Mojave Desert - Las Vegas, Nevada - Steamboat
Spring, Colorado - Rocky Mountains(最高地点3,460m) - Denver, Colorado
-US36号線 - カンザス州,ミズーリ州, イリノイ州 - Indianapolis, Indiana -Columbus,
Ohio - Wheeling, West Virginia - Reading, Pennsylvania - ニュージャージー州
- New York City (計14州通過)
※その後の情報によれば、メリーランド州もコースに入るらしい。
ルートの詳細やキューシートは、各ステージの前日にランナーまたはクルーに手渡される。
小麦粉を使用してコースマーキングは施されるが、雨などにより、一晩のうちに洗い流されてしまう可能性もある。
あくまでルート確認はランナーとクルーの責任とする。
*距離
約3,000マイル。
正確な距離は、秋頃に決定、計測される。
*レースコース
基本的に、路肩を走行する(サイクリングロードは使用可)。
うち、インターステート高速道路を走行する距離は、約60マイル。
*ステージ
全71ステージ。
3月15日の最終エントリーをし、エントリー料を支払うと、各ステージの詳細がハンドブックとして知らされる。
ステージの長さはモーテルの間隔に依存するため、31マイル〜56マイルの範囲で日々変化する。
フィニッシュ地点から最寄のモーテルが遠い個所がいくつかあるが、その場合は、ドライブして宿泊し、フィニッシュ・スタート地点に早朝戻る。
レースの序盤は、気侯馴化のため、距離を短くしたステージが多くなる。
*競争しないステージ
全体で2日間で、初日と最終日。
とくに、初日のL.A.内は信号も多いので、ランナー、クルーがナビゲーションに慣れることにも考慮し、競争にしない。
これらの日は、順位はつかないが、制限時間以内のフィニッシュはしなくてはならない。
*制限時間
各ステージの制限時間は、平均時遠3.5マイル(5.5km)で設定されており、各ステージでそれをクリアしないと、そのステージで失格となる。
*表彰
積算総合タイムが最も短かった男女を優勝者とする。
また、完走者全員に記念の盾が送られる。
*エイドステーション
なし。
*メディカルサポート
レース主催者による用意はない。
ランナーとクルーは、マイナーなトラブル(マメ、腫れや炎症、胃腸障害など)には、自カで対処することが望まれる。
病院に行く必要がある場合も、主催者側がアレンジすることはないが、医師の診断結果をもとに、
主催者が当該ランナーのレースの続行が不可能と判断した場合は、そこでレースから除外される。
*クルー
それぞれのランナーは、専属のサポートクルーをつけることが義務付けられる。
各ステージのスタート時点において四輪のサポートカーとサポートクルー(ドライバー)とがいないランナーは失格となり、スタートできない。
サポートカーのサイズは、いわゆるミニバンサイズまでで、モーターホーム(RV車)は、
複数のクルーがいる場合のクルー滞在用としてならぱ使用が許可される。
複数のランナーによりサポートカーを共有することは許されるが、推奨はされない。
ランナーが異なるスピードで進行する可能性もあるので、そのような場合のサポートに対応しきれない。
主催者側としては、やむを得ないかぎりは、サポートカーの共有には反対姿勢である。
*ペーサー
サポートクルーが義務付けられており、上記のようなレース形態においては、ペーサーの必要性はなく、逆にむしろ歓迎されない。
ランナーが参加者以外の伴走したい者と走る場合は、伴走者は参加者の後方に位置しなくてはならない。
並走や前に出ることは許されない。
*宿泊
モーテルは基本的には主催者側が準備する。
ただし、以下の点に留意する。
(1)多くの日は、Motel 6 を利用するが、それ以下の質の場合もあり得る。
ただし、エアコン完備は最低条件とする。
(2)ランナーの希望により、ルームシェアーをしたい場合は主催者側でアレンジする。
その場合、男性部屋、女性部屋、夫婦部屋などの形をとる。
完全に実施できない場合は、女性と夫婦が同部屋になる場合もある。
最悪の場合は、男女2人ずつの4人部屋という事態も考えられるため、ルームシェアーの希望者は、そのことをあらかじめ了解しておく必要がある。
また、主催者側が用意するモーテルヘの宿泊は必ずしも義務ではなく、ランナーが独自に宿泊場所を用意しても構わない。
ただし、キゃンプ場はモーテル並の頻度でしかない。
また、主催者側としては、エアコンの行き届いた部屋に宿泊することは、疲労回復、体カ温存の意味でも、メリットは大きいと考える。
主催者側としては、キャンプ場の情報を入手する努力はしないので、希望者は独自に調べる必要がある。
*責任の所在
このような長距離、長期間におよぶレースの場合は、経験的に各種の責任の所在を明らかにしておくことが重要である。
レース主催者としては、レース遅営一般とモーテルの準備のみを行う。
その他の点に関しては、ランナーとクルーの自己貢任において行動する。
*レース公用語
レースにおける公のコミュニケーションには英語を使用する。
英語の流暢でないランナーは、クルーの中に英語でじゅうぶんなコミュニケーションをとれる人材を含め、
レース関連の連絡や文書について漏れなく理解されていなくてはならない。
*参加資格
71日問で3100マイル走るということは、1日あたり平均43マイルであり、かつそれを平均時遠3.5マイルで進行することは、
決してたやすい気持ちでは取り組めない。
エントリーに際しては、上記のレベルのランニングが行える経験、実績、実力があるということを、エントリー用紙上でアピールする必要がある。
*参加者制限
25人まで。
15人に満たない場合は、レースはキャンセルされる。
*エントリー方法
レースの準備にかかる時間、エントリーが25名に制限されていることを考慮すると、できるだけ早期にエントリーを申請する方が良い。
提出必要書類等は以下。
(1)前払い金US$200.00(国際為替小切手利用)
(2)エントリー用紙
(3)大会規約同意書
(4)賠債請求放棄同意書、氏名肖像権放棄同意書、事故責任不問同意書
主催者側がエントリー書類を受領後数日以内にランナーに郵便にて参加の可否を返信する。
参加が認められないと判断された場合は、前払い金は返還される。
エントリー希望者が25名を超えた時点で、ウェイティングリストを作成するので、希望者はその旨を主催者側に伝える。
先着順で、前払い金は保留される。
エントリー料の残額($1,800.00)は、2002年3月15日までに支払う。
支払いが期日までに行われなかったランナーについては、権利放棄とみなし、補欠繰上げとなる。
*エントリー確認通知
2002年3月15日直後に、レースの開催可否についての情報が知らされる。
*エントリー料
US$2,000.00。
内訳は、コースデザイン、ルート説明書作成、宿泊場所確保、スタートとフィニッシュ場所の設営、レース審判、
タイム記録などのレース違営一般の必要経費として使用。
レース監督者として3名を登用する。
*その他の経費
(1)クルーメンパーの必要経費、参加旅費などの実費。
(2)モーテル宿泊の総費用概算(2000年実績から)
US$3,600.00(シェアーなし)
US$2,100.00(シェアーあり)
今秋のルートスカウティングの際に最新情報が得る。
(3)食費、エイド買出し、雑費などに、およそUS$3,200.00。
(4)ガソリン代に、およそUSS1,200.00
(5)カーレンタル代は借りる場所や会杜によって異なる。
ドロッブオフ(ワンウェイ)は高くつくので、借りたところまで戻って返却するのが良い。
2001年実績による費用概算(例)
Budget Rent-A-Car
中型車をロサンジェルス国際空港にてレンタルした場合。
90日聞で約$2,000.00。
*総費用概算(アメリカ国内のみ)
$8,500.00〜$10,000.00。
*レースハンドブック
エントリー料全額の支払いが完了した時点で、レースハンドブックが送られる。
ここで、最終的なルート、各ステージの距離、宿泊予定のモーテルなどが発表される。
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